留学失敗談navi

海外留学は大学からという意見もあります

海外への留学について、早いほどよい、早すぎても良くないという意見があります。

 

早ければ早いほどよいという意見は、やはり耳ができあがる前のほうがよいという理由からです。実際には中高生くらいには既にヒアリングの感覚はできあがってしまっているという報告もあるようですが・・

 

それはさておき、遅めのほうがよいという意見も参考までに掲載します。


高校留学について、私はあまり肯定的な意見を持っていない。高校生、特に17〜8歳という年齢は個人のアイデンティティを形成する上での非常に重要な時期であり、その時期に日本を長期間出ていると国籍についての認識が非常に甘くなるためである。(ちなみに私はアメリカの大学を出ている。)アメリカ・オーストラリアに1年間留学した人物を4人知っているが、それぞれに共通しているのは、いまいちつかみどころのない人物だということだ。個人を見つけきれていない漂流者、悪い言い方をすれば中途半端なのである。

 

高校時代に留学をした人物は、思うに無意識にこう考えている。自分は生まれた土地は日本だけど、文化的には違うのだ――。では、何人? そう聞かれると、たぶんちゃんと答えづらいのではないか。そしてきっと、今も海外に強い思いを持っており、機会があれば移住したいと思っているだろう。私も日本の枠組みでははみ出してしまうし、文化的には日本人的に捉えないところも多いが、他国の文化に少し感化されているくらいで自分は生粋の日本人だと思っている。ある程度自分の個性が確立されたころに、自分を日本人だと強く認識したためだ。だが、高校時代に留学すると、個性が確立されていないまま外に出されるので、これが中途半端な状態で完全に成長しきれないまま終わる。そしていつまでたっても自分がどこに所属する人間かがわからないのだ。

 

また、1年という期間は留学には中途半端である。外国に暮らして1年終わるころはいろいろ迷いが多い。自分はある程度多文化に感化されていて、前とは違ってしまった。でも、完全にあちらの人間になりきれてもいない。そこを乗り越えて自分自身を強く持ち始めるのだが、乗り越えないうちに国に帰り、なんとなく時間が過ぎ、なんとなく自分は他の日本人と違うように思う。でも、それを強く主張できるわけでもない。そうなるとさらにアイデンティティの形成が難しくなる。

 

以上のことから、私は高校生の留学にあまり肯定的ではない。できれば自分がだれかを知ってから、強い足で海外に出て、自分を発揮していってほしい。